本記事では、ディオゲネス症候群(ゴミ屋敷症候群)とはどんなものなのか、原因や解決策などを徹底解説します。

ディオゲネス症候群は社会現象としても捉えられており、非常に深刻な精神疾患です。

そのまま放置すると家や部屋がゴミ屋敷と化し、本人の健康状態が悪くなる可能性や死亡の可能性も上がります。

そこで今回は、ディオゲネス症候群のリスクや解決策を詳しくまとめました。

ゴミ屋敷に悩む方は、ぜひ参考にしてください。

ディオゲネス症候群とは

ディオゲネス症候群とは

社会現象になっているディオゲネス症候群は、病気でもあるため、早急な治療と片付けが必要です。

ここでは、ディオゲネス症候群の概要や特徴を詳しく見ていきましょう。

ゴミ屋敷症候群とも呼ばれる精神疾患

ディオゲネス症候群は、老年期隠遁(いんとん)症候群やゴミ屋敷症候群とも呼ばれ、主に高齢者の一人暮らしに多く見られる精神疾患です。

古代ギリシャの哲学者ディオゲネスにちなんで病名が付けられており、物を溜め込む特徴があります。

そのため、ゴミ屋敷症候群などとも呼ばれており、深刻な事態を引き起こす危険な病気です。

放置をしていても良くなるケースはほとんどなく、根本的な治療や対応が必要となります。

ディオゲネス症候群の特徴

ディオゲネス症候群を患っている方の特徴は、以下の通りです。

  • 物を溜め込んでゴミ屋敷化する
  • 自覚症状がない
  • 極端な収集癖がある
  • 身だしなみに気を使わなくなる
  • 認知機能や身体機能が低下する
  • 睡眠障害や栄養失調を引き起こす

ディオゲネス症候群を患っている方は、基本的に周囲に迷惑をかけている自覚がありません。

極端な収集癖があり、ゴミを溜め込んで周囲に迷惑をかけます。

ゴミを捨てられなかったり、物を溜め込んだりすると家の中の環境が悪くなり、睡眠障害や栄養失調を引き起こすケースもあるでしょう。

身だしなみに気を使わなくなり、だらしなくなるのも特徴の1つです。

これだけ症状があるにも関わらず、自覚症状がないので自分ではどうすることもできません。

ディオゲネス症候群に関連する精神疾患

ディオゲネス症候群に関連する精神疾患

ディオゲネス症候群に関連する精神疾患は、以下の3つです。

  • セルフネグレクト
  • 強迫性障害
  • 行動障害

それぞれの疾患について、詳しく解説します。

セルフネグレクト

セルフネグレクトとは、自分自身の健康や生活環境を放置してしまう状態を指します。

食事・睡眠・排泄・身だしなみ・住環境の維持など、日常生活において本来行うべきことを怠ってしまうため、心身の健康や安全が損なわれるのが特徴です。

セルフネグレクトは、高齢者の一人暮らしに多く見られますが、若い世代にも起こり得ます。

家の中が常に汚かったり、不衛生だったりすることも特徴で、ディオゲネス症候群との共通点も多いでしょう。

また、ディオゲネス症候群と同様に自分の状態を異常だとは感じず、基本的に自覚症状がありません。

強迫性障害

強迫性障害は不安障害の一種で、以下のような特徴を持つ精神疾患です。

  • 強迫観念
  • 強迫行為

強迫観念は自分の意志とは関係なく、繰り返し浮かんでしまう不快な考えやイメージです。

強迫行為は強迫観念を打ち消したり、不安を和らげたりするために繰り返し行ってしまう行為で、どちらも日常生活に支障が出るほど強く出るケースが多いでしょう。

セルフネグレクトとは異なり、強迫性障害の方の多くが自覚症状があるのが特徴です。

「外に出たら危ない」などといった強い思い込みなどにより、部屋から出られなくなってゴミ屋敷化する場合も多々あります。

行動障害

行動障害とは、主に認知症患者や知的障害者が併発する、周囲の生活に支障をきたすような行動の異常を指します。

自分自身をないがしろにしたり、生活環境が劣悪になったりとディオゲネス症候群と共通点が多いのが特徴です。

また、周囲からの指摘を受けても行動を改善しようとせず、自覚症状も基本的にありません。

必要以上に大きな声を出したり、攻撃性があったりと多くの問題を抱える病気の1つとしても知られています。

放置は危険!ディオゲネス症候群のリスク

放置は危険!ディオゲネス症候群のリスク

ディオゲネス症候群には、さまざまなリスクがあります。

ここでは、放置をすると危険な理由として、ディオゲネス症候群のリスクを詳しく解説します。

健康被害・感染症

ディオゲネス症候群によってゴミ屋敷化した場合、健康被害や感染症のリスクがあります。

例えば、ゴミの中には病気やウイルスを持った虫や動物がいるかもしれません。

ネズミなどの小動物は感染症を持っている可能性が高く、ゴミ屋敷のまま放置して生活するのは非常に危険です。

さらに、熱中症や栄養失調などといった状態を引き起こす可能性もあります。

転倒・ケガ

部屋の中がゴミで溢れた状態になればゴミや物で足元がふさがり、転倒しやすくなります。

衛生状態が悪化して床が濡れていたり、汚れていたりすると滑りやすくなる場合もあるでしょう。

また、認知機能の低下によって判断力が鈍ると転倒やケガを引き起こします。

ただでさえ足の踏み場もないような状態で、ディオゲネス症候群のような精神疾患を患っていると、ケガや事故のリスクは大幅にアップすると考えられます。

周囲への迷惑

ディオゲネス症候群は本人だけでなく、周囲にも迷惑をかけます。

例えば、ゴミ屋敷から悪臭や害虫が発生すれば、近隣の住民から苦情が入ってもおかしくはありません。

ゴミ屋敷は火災の危険もあり、周囲を巻き込むリスクが高い状態です。

ゴミの放置による環境汚染が進めば、自分以外の家族にも迷惑をかけてしまいます。

そのため、放置はせずに早い段階で対処することが非常に重要です。

高齢者は要注意

ディオゲネス症候群は、高齢者がなりやすい精神疾患の1つで、ゴミ屋敷化すると死亡率が上がるとの研究結果も出ています。

身体能力が低下した高齢者が適切なサポートや支援を受けられない場合、誰でもディオゲネス症候群に陥る可能性があるとの見解も発表されました。

高齢者の4~5人に1人がディオゲネス症候群とも言われており、十分な注意が必要です。

ゴミ屋敷になると、高齢者は1年以内に死亡するリスクが高まるとの研究結果も出ているため、早急な対処を行う必要があります。

参考:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
https://www.tmghig.jp/research/release/2021/1028.html

 

ゴミ屋敷と精神疾患の関係については、以下の記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

ゴミ屋敷は精神疾患が原因でなることもある?対処法や片付け依頼をする際の注意点など

 

ディオゲネス症候群の原因

ディオゲネス症候群の原因

ディオゲネス症候群の原因には、さまざまなものがあります。

ここでは、ディオゲネス症候群の主な原因を4つに分けて見ていきましょう。

脳の機能障害

アルツハイマー病や脳血管性認知症などの認知症は、ディオゲネス症候群の発症リスクを高めることが分かっています。

認知症になると判断力や記憶力が低下し、身の回りの世話をすることができなくなったり、周囲の状況を理解できなくなったりすることがあるでしょう。

そのほか、脳卒中や頭部外傷などによって症状が現れるケースもあります。

精神疾患

統合失調症やうつ病、強迫性障害といった精神疾患もディオゲネス症候群の引き金になります。

精神的な疾患を抱えている場合は、その病気が原因でディオゲネス症候群を併発し、さらに生活が苦しくなることも考えられます。

特に、うつ病などは気分が落ち込みやすく、片付けへの気力がわかずにゴミ屋敷化するケースもあるでしょう。

社会的孤立

社会的孤立もディオゲネス症候群を引き起こす原因の1つです。

例えば、家族や友人との交流が断絶されると孤独感や孤立感が強くなり、ディオゲネス症候群の発症リスクを高めるとされています。

また、もともと社会との関わりが少ない場合は周囲からの助けを受けにくく、ディオゲネス症候群を発症しやすいでしょう。

社会的に孤立している方はコミュニケーション能力が低い傾向にあり、自分1人で全てを抱え込もうとします。

その結果、誰にも悩みや辛さを相談できずに病状が悪化する場合もあります。

過去のトラウマ

幼少期の虐待やネグレクトなど、過去のトラウマがディオゲネス症候群を引き起こしている可能性もあります。

例えば、幼少期にネグレクトや虐待を受けた経験があると、ディオゲネス症候群の発症リスクが高まる傾向です。

また、暴力を受けた経験がある場合もディオゲネス症候群の発症リスクが高まると考えられます。

これらの要因に加え、遺伝的要因もディオゲネス症候群の発症に関係しているとされており、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症する疾患だと理解することが大切です。

ディオゲネス症候群の治療はプロに任せよう

ディオゲネス症候群の治療はプロに任せよう

ディオゲネス症候群の治療は、プロに任せる必要があります。

ここでは、ゴミ屋敷の片付けと病気の治療について詳しく解説します。

病気の治療は専門医へ

病気の治療については、専門医にお願いしましょう。

ディオゲネス症候群は自覚症状がほとんどなく、自分で治すのは非常に困難です。

精神疾患などに詳しい専門医へ相談し、治療をしてください。

ゴミ屋敷の片付けは不用品回収業者へ

ディオゲネス症候群によってゴミ屋敷と化した場合は、不用品回収業者に片付けを依頼しましょう。

ディオゲネス症候群の方は自覚症状がなく、ほとんどの方が自分では片付けられません。

また、家族や友人など近しい存在の方が片付けに入ると、本人との関係性が悪化する可能性もあります。

ゴミ屋敷の片付けには、時間も労力も必要です。そのため、プロの片付け業者を頼るのがおすすめです。

 

ゴミ屋敷片付けや清掃を行うおすすめ業者は、以下の記事で詳しく紹介しています。

ゴミ屋敷の片付けや清掃業者おすすめ5選!東京・横浜など首都圏に対応

ディオゲネス症候群によるゴミ屋敷片付けは「不用品回収受付センター」へ

今回は、ディオゲネス症候群の概要や原因、解決方法などを紹介しました。

ディオゲネス症候群は放置すると多くのリスクを伴い、大きなトラブルを引き起こす可能性があります。

そのため、できるだけ早い段階での対処が必要です。

まずは、ゴミ屋敷をキレイに片付けて生活環境を整えることから始めましょう。

ディオゲネス症候群によるゴミ屋敷にお悩みの方は、ぜひ「不用品回収受付センター」へご相談ください。

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